アルファGPC(グリセロホスホコリン)はコリンの前駆体で、ホスファチジルコリン(PC)を脱アシル化した成分です。2010年2月5日に食薬区分を改正した非医薬品リストに食品として正式に収載された大変注目を集めている新素材で、以下のような特長があります。
・無臭でほのかに甘みがあります。
・コリン補給原としては最適な分子構造を持っています。
・加熱、酸化に安定ですが、水溶性、潮解性を示します。
・油には溶けません。
・PCと比べて分子量が低く血液脳関門を通過します。
・母乳などの生体内に普遍的に存在しています。
アルファGPCは脳機能系の食品素材として世界で広く親しまれています。主に記憶能や認知機能に深くかかわる神経伝達物質である「アセチルコリン」の前駆体として働きます。アルツハイマー病では脳内のアセチルコリン量が減少している事から、ヨーロッパではアルファGPCはアルツハイマー病患者の治療目的で用いられています。
アルファGPCと成長ホルモンまた、近年の研究ではアルファGPCが脳下垂体での成長ホルモンの分泌促進機能があることが判明しています。成長ホルモンは体中の標的器官(骨や筋肉)に働きかけて、その成長を促進します。成長ホルモンの体内レベルは20代を過ぎると下降し始め、加齢と共に継続的に減少していきます。強度の高い運動や筋肉トレーニングによって成長ホルモンの分泌を一時的に増やすことは可能ですが、それも30代までです。
アルファGPCは成長ホルモン分泌促進ホルモンと協調して脳下垂体前葉の成長ホルモン分泌を促進します。
アルファGPCはレシチンやその他コリン塩と同様のコリン前駆体です。一般販売されているレシチンやホスファチジルコリンなどもコリンの前駆体であり、FDAによるGRAS(generally recognized as safe)の認定を受けている食品素材です。アルファGPCは通常の食品中にも検出され、以下の表は食品中のフリー体のコリン、アルファGPC、その他天然に存在するコリン塩の量をまとめたものです。
アルファGPCは普段食べているバナナやヨーグルトなどにも含まれることから安全な食品素材といえます。
また、アルファGPCに含まれるコリンは必須栄養素の一つで、体内では代謝的に必要量を産生できず、健康維持のためには食事から摂取する必要があります。アメリカFDAでは推奨コリン摂取量を定めています。
アルファGPCは1000mg中400mgのコリンを含み、効率的にコリンを摂取することのできる理想的な食品素材といえます。
ホスファチジルコリンは水溶性領域(グリセリン骨格にリン酸とコリン)と脂溶性領域(脂肪酸)を持つ両親媒性の分子です。 そのため水には溶けません。 アルファGPCはホスファチジルコリンから脂肪酸(脂溶性部分)を取り除いた構造を持つため、水に完全に溶解し速やかに体に吸収されます。
大豆→搾油→大豆レシチン→精製→ホスファチジルコリン→加水分解→アルファGPC
sn-グリセロ(3)ホスホコリン 及び グリセロホスホコリン
及び GPC 及び アルファGPC
リポイド